今日のポイント

先週末のいちばんの話題は、アメリカの中央銀行(FRB)の新しいトップ、ウォーシュ議長の発言です。8月28日の講演で「物価の上昇がまだ収まっていない。仕事は終わっていない」と、利下げどころか利上げもありうるという姿勢をにじませました。市場では「9月に利上げ」との見方が一気に5割を超え、ドルが買われて円は1ドル=159円台まで下がっています。一方で世界に目を向けると、ネパールとチベットをおそった大洪水の犠牲者は750人を超え、なお3千人以上が行方不明という深刻な事態が続いています。トランプ米大統領はベネズエラの巨大な油田の権益を握る合意を発表し、原油価格は先週1週間で4〜5%下げました。

今日のニュース

日本

  • 東京23区の8月の消費者物価は前年より1.8%上昇。生鮮食品を除いた指数で、2%を下回るのは7カ月連続です。コメの値段が下がってきたことと、電気・ガス代への補助が効いています(日本経済新聞)。
  • 片山さつき財務相が訪米し、G20(主要20カ国)の財務相・中央銀行総裁会議に出席(8月31日〜9月1日、米ノースカロライナ州)。ベッセント米財務長官と会談し、7月31日に日米で実施した「協調介入」の効果や、世界的な長期金利の上昇について話し合う予定です(ライブドアニュース)。
  • 高市早苗首相は、地域ごとに産業を集める「地域未来戦略」の枠組みを年末までにまとめる方針を示しました。
  • 西日本から東日本にかけて猛烈な暑さが続き、各地で熱中症への警戒が呼びかけられています。

世界

  • ネパールとチベットの大洪水、犠牲者750人超・行方不明3千人超(8月30日時点)。8月26日に氷河が崩れて土石流と鉄砲水が谷筋の集落をのみ込みました。ネパール側だけで死者734人・行方不明2,498人・救助7,514人、行方不明者には外国人589人が含まれます(ABC News、CNN)。
  • アイスランドの国民投票、EU(欧州連合)加盟交渉の再開を否決。反対52.8%、賛成47.2%の僅差でした(8月29日投票)。国の基幹産業である漁業をEUの共通ルールに委ねたくない、という声が決め手になりました(CNBC)。
  • カントリー音楽の女王ドリー・パートンさんが8月25日、80歳で亡くなりました(NPR)。

アメリカ

  • ウォーシュFRB議長、ジャクソンホール会議の講演でタカ派姿勢。物価目標2%への確信が持てなければ「やるべきことがある」と述べ、利上げの可能性を残しました。先行きの方針をあらかじめ示す「フォワードガイダンス」は「合わせ鏡のように判断を惑わせる」として否定。市場が織り込む9月利上げ確率は講演前の約35%から約60%へ跳ね上がりました(CNBC、Yahoo Finance)。
  • トランプ大統領、ベネズエラと「史上最大の石油合意」を発表。650億バレル超の埋蔵量を持つ新会社の実質産出量の55%を米側が握る内容で、戦略石油備蓄(SPR)の積み増しにつなげるとしています。ベネズエラはOPEC(石油輸出国機構)離脱も検討していると報じられました(CNBC、NPR)。
  • 半導体大手エヌビディアが8月26日に発表した5〜7月期決算は、売上高962億ドル(前年同期比+106%)と好調。8〜10月期の売上高は1080億ドル(±2%)を見込み、フアンCEOは2028年度の全社売上高を約70%伸ばす見通しを示しました。

ヨーロッパ

  • ウクライナ・キーウ近郊で弾薬庫へのロシア軍のドローン攻撃、少なくとも37人死亡。住宅地で数時間にわたり爆発が続きました。ゼレンスキー大統領は「この1週間でロシアは約2千機の攻撃ドローン、1,600発超の滑空爆弾、31発のミサイルを撃ち込んだ」と述べています(CNN)。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

先週末のニューヨーク市場は、ウォーシュ議長の発言を受けて主要3指数がそろって小幅安。ただ週間ではプラスを保ちました。ドル円は再び159円台まで円安が進んでいます。原油は、ベネズエラの供給増観測とホルムズ海峡をめぐる緊張緩和の報道が重なり、先週1週間で4〜5%下落しました。

指標 直近の値(8月28日終値) 前日比
日経平均株価 66,405.56円 +273.58円(+0.41%)
TOPIX 4,146.71 +29.49(+0.72%)
S&P500 7,711.76 -0.25%
ダウ工業株30種 53,559.99 -9.45(-0.02%)
ナスダック総合 26,402.42 -0.52%
WTI原油 約83.0ドル/バレル -0.6%(週間で-4〜5%)
ドル円 約159.7円 円安方向(8月28日基準)

米国の株価・原油はニューヨーク時間8月28日(金)の終値。ドル円はfrankfurter API(ECB基準、基準日8月28日)。

アメリカの経済

FRBの政策金利は現在3.50〜3.75%で据え置かれています(実効ベースで約3.63%)。7月の会合までは「次は利下げか」という見方が優勢でしたが、5月に就任したウォーシュ新議長は「物価が2%に戻る確信がなければ利上げも辞さない」という姿勢を鮮明にしました。市場の関心は9月4日発表の8月の米雇用統計に移っています。雇用が底堅ければ利上げ観測はさらに強まり、逆に弱ければ「利上げは見送り」に振れる、という綱引きです。

日本の経済

東京の物価の伸びが7カ月連続で2%を下回ったことで、日銀が急いで動く必要は薄れました。ただし、アメリカが利上げに傾き円安が進めば、輸入物価を通じて国内の物価を再び押し上げる圧力になります。7月31日の日米協調介入(1日の介入額として過去最大級とされる約8.4兆円規模、円買い方向の日米協調は1998年以来28年ぶり)で164円近辺から157円台まで戻した円相場は、再び160円手前まで水準を戻しています。G20の場での日米財務相会談で、為替について何が語られるかが注目点です(日本経済新聞)。

今日の注目銘柄・セクター

  • 石油メジャー(エクソンモービル、シェブロンなど):トランプ大統領のベネズエラ油田合意で、中長期の原油供給が増えるとの見方が広がり、原油価格とともに上値が重くなりました。米国産原油の供給余地が増えれば、精製・探鉱各社の収益見通しにも影響します。
  • 半導体・ハイテク株(エヌビディアなど):決算そのものは好調でしたが、金利が下がりにくいとの見方は、将来の利益を重くみるハイテク株には逆風。ナスダックが金曜に主要指数の中で最も下げたのはこのためです。
  • 米地方銀行・住宅関連株:「高い金利が長引く/利上げもある」というシナリオでは、住宅ローン金利の高止まりや預金の奪い合いが意識され、金利に敏感なこれらのセクターが売られやすくなります。
  • 日本の半導体関連(アドバンテスト、キオクシアなど):今週の東京市場で材料視されやすい銘柄群。円安は輸出企業の採算にプラスに働く一方、米金利の動き次第で値動きが荒くなりやすい点に注意が必要です。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 9月4日の米雇用統計。ウォーシュFRBが本当に利上げに動くのか、最大の判断材料になります。
  2. G20での日米財務相会談(8月31日〜9月1日)。円安と世界的な金利上昇にどう向き合うかのメッセージ。
  3. ベネズエラ産原油の行方。供給増が現実になれば、ガソリンや電気代など私たちの生活コストにゆっくり効いてきます。

今日の羅針盤(Compass Insight)

先週末の相場を貫くのは「アメリカの金利は当分下がらない、むしろ上がるかもしれない」という不安です。新しいFRB議長が、先を約束しない代わりに「物価優先」をはっきり打ち出したことで、世界のお金はドルに戻り、円は再び安いほうへ動きました。

家計への影響は二段構えで考えるとわかりやすいです。短期では、円安が輸入品やエネルギーの価格を下支えし、ガソリンや食品の値下がりを鈍らせます。原油が下がっている今は本来なら値下げの追い風ですが、円安がその効果を打ち消しやすい局面です。中長期では、日銀が「物価の伸びは2%割れ」で動きにくい一方、円安が進みすぎれば利上げを迫られる、という綱引きが続きます。住宅ローンを変動金利で借りている人にとっては、国内金利がいつ動くかを気にかけておく時期です。

短期は9月4日の米雇用統計と、その後の為替の振れ。中長期は、ベネズエラ産原油の増加が世界のエネルギー価格をどれだけ押し下げるか、そして日銀が円安と物価のどちらを優先するかに注目したいところです。いずれも「〜に注目」というレベルの話で、あわてて動く場面ではありません。


出典:

本記事は公開情報をもとにAIを利用して作成しています。投資助言ではありません。