今日のポイント

米国では長期金利の上昇が止まらず、30年債の利回りが約24年ぶりの高さに達しました。同じ日に発表された消費者の景況感は2014年以来の低さ。「物価も金利も高く、暮らしの先行きが不安」という空気が数字にはっきり表れた1日でした。一方で原油はサウジアラビアの輸出回復を受けて大きく下がり、明るい材料も混じっています。

今日の羅針盤(Compass Insight)

きのうの米国市場は、「原油は下がったのに金利は上がった」という少し珍しい組み合わせでした。これまでは「原油高→物価高→金利高」の連鎖が続いていましたが、原油が3%以上下げても長期金利が上がり続けたことは、債券市場の心配が原油だけではなく、米国の財政や大量の国債・社債の発行、そして9月の利上げ後も続く物価高そのものに広がっていることを示していると考えられます。

家計への影響で考えると、米国の長期金利の上昇は日本の長期金利にも上向きの圧力をかけやすく、固定型住宅ローン金利がじわじわ上がる可能性があります。円は1ドル157円台と円安水準が続いており、輸入品や食料品の値上がり圧力も残ります。ただ、原油安が続けば、ガソリン代や電気・ガス料金には少し遅れて一服感が出てくる可能性があります。

短期では、今夜発表のニデック決算、10月1日の日銀短観、10月2日の米雇用統計に注目です。中長期では、「米国の長期金利がどこで落ち着くか」と、AI企業の巨額上場(IPO)計画が市場のお金の流れをどう変えるかが、日米の株価を左右しそうです。

今日のニュース

日本

  • 東大に初の女性総長:東京大学は28日、藤垣裕子教授を次の総長に選びました。東大で女性がトップに就くのは初めてで、任期は2027年4月から6年間です(日本経済新聞)。
  • アジア大会、山口茜は銀メダル:愛知・名古屋アジア大会のバドミントン女子シングルス決勝で、山口茜選手は世界ランク1位のアン・セヨン選手(韓国)に0-2で敗れ、日本勢28年ぶりの金メダルはなりませんでした。今大会2個目のメダルです。
  • ニデックはきょう決算発表:不正会計に絡む巨額減損や経営陣の交代が報じられたニデックが、9月30日に決算を発表する予定です。28日には株価がストップ安となっており、発表内容に注目が集まります。

世界

  • 米国とイランが間接協議:イランのアラグチ外相はニューヨークでカタールの仲介役と会い、米国と間接的な協議を行いました。イラン側の案は、戦闘の終結や米国による海上封鎖の解除などと引き換えに、ホルムズ海峡を7日以内に段階的に再開するという内容です。トランプ大統領は先に同様の案を退けており、米国の正式な回答が焦点です(Al Jazeera)。
  • OpenAIが新モデルの公開を見送り:OpenAIは10月に予定していた新モデル「GPT-6.1 Astra」について、社内の安全性テストで基準を満たさなかったとして公開を取りやめました。

アメリカ

  • 消費者の景況感が12年ぶりの低さ:米民間調査機関コンファレンス・ボードの9月の消費者信頼感指数は81.9と前月から6.7ポイント下がり、2014年以来の低水準になりました。物価と雇用への不安が理由とされています。
  • アンソロピックの上場計画が明らかに:AI企業アンソロピックの新規株式公開(IPO)に向けた目論見書の内容が報じられ、2兆ドル超の企業価値を目指していることがわかりました。目論見書ではAIが人類にもたらしうるリスクについても多くのページを割いています(TechCrunch)。
  • 燃費規制を大幅に緩和:トランプ政権は自動車の燃費基準を見直し、2031年の業界平均を従来想定の50.4mpgから34.9mpgへ引き下げる新ルールを公表しました。

ヨーロッパ

  • 英国のバーナム首相が党大会で演説:英労働党の党大会で、首相として初めての演説を行ったアンディ・バーナム氏は、公的サービスの大幅拡充や「国民介護サービス」の創設を打ち出し、「ブレグジットは益より害が大きかった」と述べました。EUとの関係見直しに含みを持たせています(ABC)。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

指標 値 前日比
日経平均株価(9/29終値) 65,481.27円 -396.35円(-0.60%)
TOPIX(9/29終値) 4,041.13 -70.87(-1.72%)
NYダウ(9/29終値) 51,349.92ドル -131.59ドル(-0.26%)
S&P500(9/29終値) 7,670.84 -12.85(-0.17%)
ナスダック総合(9/29終値) 26,797.54 -22.84(-0.09%)
WTI原油(9/29清算値) 89.38ドル/バレル -3.5%
北海ブレント(9/29清算値) 102.59ドル/バレル -2.6%
米30年債利回り 5.6%台 上昇(2002年以来の高水準)
ドル円(ECB参照、9/29基準) 157.12円 —

※Yahoo Finance APIがアクセス制限で取得できなかったため、指数・原油は報道各社の終値を確認して記載しています。

原油は大きく下がりました。サウジアラビアがドローン攻撃を受けた東西パイプラインの能力を約半分まで回復させたこと、米政権が戦略石油備蓄から最大4,000万バレルを放出することが重しになりました。それでもブレントは100ドルを上回っており、中東情勢しだいで再び上がる余地は残っています。

アメリカの経済

米国株は3指数そろって2日続けて下げましたが、下げ幅は小さめでした。主役は債券市場で、30年債利回りは6日続けて上がり、2002年以来の水準に達しました。10年債利回りも5.25%と高止まりしています。

背景には、FRB(米連邦準備制度理事会)が9月16日に政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げた後も物価の粘り強さが続いていることがあります。一方で消費者信頼感は12年ぶりの低さで、8月の求人件数も707.9万件と市場予想を下回りました。「物価は高いのに景気の勢いは落ちている」という、中央銀行にとって難しい状況が浮かびます。10月2日の雇用統計が次の大きな材料です。

日本の経済

29日の東京市場で日経平均は続落し、取引時間中には1,100円を超える下げ幅となる場面もありました(日本経済新聞)。前日の米国株安や中東情勢の不透明感に加え、この日は配当の権利落ち日にあたり、商社や銀行などの高配当株に売りが出ました。TOPIXの下げ率(-1.72%)が日経平均より大きかったのはこのためです。

為替は1ドル157円台前半で推移。米国の追加利上げ観測から日米の金利差が意識され、円売りドル買いがやや優勢でした。10月1日の日銀短観で、企業が円安や原油高をどう受け止めているかが注目されます。

今日の注目銘柄・セクター

  • ソフトバンクグループ(9984):傘下の英アームの株価急落と、出資先OpenAIのAI開発をめぐる懸念から、29日は権利落ち後の基準値比で約3%下落しました。
  • アーム・ホールディングス(ARM):28日の米国市場で、9月に大きく上がった反動や半導体株安から約9%下げました。
  • 高配当株(商社・銀行):9月末の配当権利落ちで、豊田通商や三菱UFJなどに売りが出ました。一方、ファーストリテイリングやリクルートは上昇しました。
  • ニデック(6594):きょう30日の決算発表で、不正会計問題の損失規模や経営体制がどう示されるかが焦点です。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 米長期金利の行方:30年債利回りは2002年以来の高さ。原油が下がっても金利が上がる状況が続くのか。
  2. 米イラン協議への米国の回答:ホルムズ海峡の再開案に米国がどう応じるかで、原油と世界の株価が大きく動く可能性。
  3. 今週の日米の重要指標:30日のニデック決算、10月1日の日銀短観、10月2日の米雇用統計。

出典:

本記事は公開情報をもとにAIが作成しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。