今日のポイント

トランプ大統領がイランの和平案を退けたことで原油が上がり、「物価がまた上がるのでは」という心配から米国の長期金利が約19年ぶりの高さまで上がりました。米国株は3指数そろって下落。日本ではニデックの巨額損失報道が市場を揺らし、日経平均も6日ぶりに下げました。

今日の羅針盤(Compass Insight)

きのうの市場を貫いていたのは「原油高→物価高→金利高」の連鎖です。トランプ氏がイランの和平案を拒んだことで、ホルムズ海峡の再開が遠のくとの見方から原油が上昇。これがインフレ再燃の不安を呼び、米10年債利回りは2007年以来の水準まで上がりました。金利が上がると、将来の利益を先取りして買われていたハイテク株ほど割高に見えやすく、ナスダックの下げがダウより大きかったのはそのためと考えられます。

家計への影響で言えば、米国の金利上昇は日本の長期金利にも上向きの圧力をかけやすく、固定型の住宅ローン金利や企業の借入コストに波及する可能性があります。一方、円相場は日米当局の円安けん制発言で1ドル156円台まで円高に振れる場面がありました。円安が一服すれば輸入品やエネルギーの値上がりが多少和らぐ期待もありますが、原油そのものが高ければ効果は限られます。

短期では、今週の米イラン協議が実際に始まるか、10月1日の日銀短観、10月2日の米雇用統計、そして9月30日のニデック決算が注目点です。中長期では、「高い金利がどこまで続くか」と「企業統治への信頼」の2つが、日米の株価を左右しそうです。

今日のニュース

日本

世界

  • トランプ氏、イランの和平案を拒否:イランが国連総会で示し、カタールを通じて米国に伝えた戦争終結案を、トランプ大統領は退けました。一方で、今週も米国の交渉担当者がイランとの協議を続ける見通しだと語っています(Yahoo Finance)。
  • ウクライナの首都キーウに攻撃:ロシアによる28日の攻撃で、女性1人が死亡し、子ども3人を含む24人がけがをしました(ウクラインスカ・プラウダ集計)。

アメリカ

  • ボーイング株が急落:米連邦航空局(FAA)が、ソフトウエアの不具合を調べるため「737 MAX 10」の型式証明を遅らせると発表。着陸をやり直す特定の場面で自動の飛行誘導が使えなくなる可能性があるとされています。
  • ホワイトハウスが予算の取り消しへ:議会がすでに承認した8億ドル超の予算を、政権が「ポケット・リシジョン」と呼ばれる手法で一方的に取り消す動きを進めており、議会との対立が予想されます。難民支援や移民の生徒向けサービス、医療研究などが対象です。

ヨーロッパ

  • セルビアのブチッチ大統領が辞任:ブチッチ大統領は27日、任期を約8カ月残して辞任しました。10月25日の議会選挙を経て首相に就くことを狙った動きと見られています。後任が選ばれるまでブルナビッチ議長が大統領職を代行し、大統領選は12月27日までに実施されます。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

指標 値 前日比
日経平均株価(9/28終値) 65,877.62円 -486.58円(-0.73%)
NYダウ(9/28終値) 51,481.51ドル -347.11ドル(-0.67%)
S&P500(9/28終値) 7,683.69 約-0.8%
ナスダック総合(9/28終値) 26,820.38(Yahoo Finance API) 約-0.9%
WTI原油(9/28清算値) 92.60ドル/バレル +0.19ドル
米10年債利回り 約5.24% 上昇(2007年以来の高水準)
ドル円(ECB参照、9/28基準) 156.88円 —

原油はトランプ氏の和平案拒否を受けて一時大きく上がり、WTIは日中に96ドル台をつけましたが、終わってみれば小幅高にとどまりました。値動きの大きさそのものが、中東情勢への市場の神経質さを表しています。

アメリカの経済

米10年債利回りは一時5.274%まで上がり、2007年6月以来の高さをつけました。30年債も2004年以来の水準です。背景には、原油高によるインフレの長期化と、FRB(米連邦準備制度理事会)がさらに利上げするとの観測があります。加えて、政府や企業(AI関連を含む)の大量の債券発行も金利を押し上げる要因になっています。今週は米雇用統計など重要な経済指標が相次ぎ、金利の行方を左右しそうです。

日本の経済

日経平均は朝方に約1カ月半ぶりに6万7,000円台を回復しましたが、午後に売りが広がり、6日ぶりに反落しました。直前の5営業日で3,000円近く上がっていたことによる利益確定売りや、世界的な金利上昇・中東情勢への警戒が重荷になりました。円相場は当局のけん制発言で円高方向に振れており、10月1日の日銀短観とあわせて為替の動きにも注目です。

今日の注目銘柄・セクター

  • ニデック:1兆円規模の減損と社長解任の報道でストップ安。9月30日の決算会見で、損失の規模や経営体制がどう示されるかが焦点です。
  • 任天堂:UBS証券の格下げで続落。主力タイトルの寄与低下やメモリー価格の上昇が利益を圧迫するとの見方が示されました(日本経済新聞)。
  • ボーイングと航空機関連:737 MAX 10の認証延期でボーイング株は約7%下落。エンジンを手がけるGEエアロスペースも下げました。
  • ハイテク株:長期金利の上昇でナスダックの下げがダウより大きくなりました。金利に敏感なセクターとして引き続き注目です。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 米イラン協議の行方:和平案拒否の後、今週の協議が実際に進むかが原油と金利を左右します。
  2. 米長期金利と今週の指標:10年債利回りは2007年以来の高さ。10月2日の米雇用統計が次の山場です。
  3. ニデック決算(9月30日)と日銀短観(10月1日):日本企業への信頼と景気の実感を測る材料になります。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。