今日のポイント

10月最初の取引日、日経平均は半導体株に引っ張られて2,203円の大幅高となり、6万8,956円で取引を終えました。一方、米国では長期金利が一時2002年以来の高さまで上がり、英国やフランスでも国債が売られる「世界的な金利高」が続いています。株は強いのに金利も高い——そんなちぐはぐな状態が目立つ一日でした。

今日の羅針盤(Compass Insight)

きのうの相場で印象的だったのは、株と債券がまったく違う景色を見ていることです。日経平均は半導体関連の買いで2,000円を超える上げ幅になり、米国でもマイクロンの好決算を受けてハイテク株が持ち直しました。その一方で、米10年債利回りは一時5.34%と2002年以来の水準に達し、英国の30年債も1998年以来の6%に乗せました。AIという強い成長の物語が株を支える一方、原油高や各国の財政不安が「お金を借りるコスト」を押し上げている構図です。

家計への影響で見ると、まず身近なのは10月1日から変わった暮らしのルールです。ビールの酒税が下がって店頭価格が下がる一方、第三のビールや発泡酒は値上がり方向です。また、世界的な金利高は、日本の固定型住宅ローン金利にも上向きの力をかけやすい状況です。円は1ドル158円前後と円安が続き、原油が再び値上がりすればガソリン代や電気代にも響きやすい状況です。

短期では、今夜発表予定の米雇用統計と、それを受けた長期金利の動きに注目です。中長期では、米国とイランの交渉が行き詰まっているように見える中で、ホルムズ海峡と原油の供給がどうなるか、そして日銀短観で見えた「足元は良いが先行きは慎重」という企業の見方が、10月の日銀会合の判断にどうつながるかがポイントになりそうです。

今日のニュース

日本

  • 日銀短観、大企業製造業は6期連続の改善:日銀が1日発表した9月の短観で、大企業・製造業の景況感はプラス24と、前回から2ポイント上がり6四半期連続で改善しました。データセンターなどAI関連の需要がけん引しています。ただ予想(プラス25)には届かず、非製造業はプラス35と悪化、先行きはいずれも慎重な見方となりました(時事ドットコム/OANDA)。
  • 10月1日から暮らしのルールが変わる:ビール・発泡酒・第三のビールの酒税が350ミリリットルあたり54.25円に一本化され、ビールは9.1円の減税、発泡酒と第三のビールは増税になりました(Yahoo!ニュース/ABCニュース)。年収「106万円の壁」の撤廃なども10月1日から実施されています。
  • 「副首都」の要件案、人口の1.2%以上:政府がまとめた「副首都」指定の要件案に、全国の人口の1.2%以上の都市とすることが盛り込まれ、札幌・名古屋・大阪・福岡の4市が満たすことがわかりました。

世界

  • 米国とイランの協議が停滞:米政府関係者によると、ルビオ国務長官がアラグチ外相らイラン代表団に米国からの退去を命じました。イラン側は「出発は前から決まっていた」と米側の説明を否定しています(Al Arabiya)。
  • 中国が燃料の輸出を停止:中国の製油会社が、香港・マカオ以外への石油製品の輸出を当面停止しました。もともと戦争で品薄の世界の燃料市場がさらに引き締まるとの見方から、原油価格が上昇しました。

アメリカ

  • 長期金利が一時5.34%に:米10年債利回りは一時5.342%と、2002年以来の高水準をつけました。その後は5.24%程度まで下がり、株価は小幅高で引けました(Yahoo Finance)。
  • 景気指標は底堅い:9月のISM製造業景況指数は54.5と拡大を示し、新規失業保険申請件数は19万7,000件と4週連続で減りました。一方、仕入れ価格指数は77.9と上昇し、物価の圧力も残っています(Yahoo Finance)。
  • ナイキ、売上高4%減:ナイキの6〜8月期決算は、売上高が112億ドルと前年同期比4%減でした。中国と欧州・中東などでの落ち込みが響き、北米は伸びました。

ヨーロッパ

  • 欧州でも国債売りが広がる:英国の30年債利回りが1998年以来となる6%に達し、10年債も5.51%と2007年以来の水準に。英FTSE100は1.7%下落しました。フランスの10年債も4.94%と2002年以来の高さです(Rio Times)。
  • ドイツの物価上昇率3.3%:ドイツの9月の消費者物価は前年比3.3%と、8月の2.9%から加速し、2023年12月以来の高い伸びになりました。エネルギー価格は14.9%上がっています(Rio Times)。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

指標 値 前日比
日経平均株価(10/1終値) 68,956.72円 +2,203.00円(+3.30%)
NYダウ(10/1終値) 50,926.56ドル +20.51ドル(+0.04%)
S&P500(10/1終値) 7,666.45 +14.91(+0.19%)
ナスダック総合(10/1終値) 26,871.60 +10.53(+0.04%)
WTI原油(10/1) 約92ドル/バレル +1.67ドル(+1.9%)
北海ブレント(12月限、10/1) 約101ドル/バレル +3.02ドル(+3%)
米10年債利回り(10/1) 5.24% -0.06ポイント
ドル円(ECB参照、10/1基準) 157.98円 +0.98円(円安)

※原油は取引時間中の値で、報道により時点が異なります。

世界の市場では「金利」が主役です。米国・英国・フランスで長期金利がそろって数十年ぶりの水準に上がり、債券が世界的に売られています。そこへ中国の燃料輸出停止が加わり、北海ブレントは再び1バレル100ドル台に乗せました。原油高は物価を押し上げ、物価高は金利を押し上げる——この連鎖が続くかどうかが、当面の相場の大きな分かれ目です。

アメリカの経済

米国の株価は、朝方は金利上昇で下げたものの、金利がピークから下がると持ち直し、3指数そろって小幅高で終えました。景気の数字は強く、失業保険の申請は減り、製造業も拡大しています。ただ、景気が強いほど「利上げはまだ終わらないのでは」という見方も強まりやすく、今夜の雇用統計が強すぎると金利が再び上がる可能性があります。

日本の経済

日経平均は、前日の米国でハイテク株が堅調だった流れを受けて、半導体関連を中心に大きく上げました。値上がりしたのは電気機器や精密機器、情報・通信で、石油・石炭製品や銀行、保険は下げました(財経新聞)。値上がり銘柄と値下がり銘柄の数はほぼ半々で、上げ幅のわりに「一部の大型ハイテク株が指数を押し上げた」相場でした。短観では企業の景況感は良いものの、先行きは慎重で、日銀が10月に追加利上げに動くかどうかの判断材料として注目されます。

今日の注目銘柄・セクター

  • 半導体関連(アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアHDなど):米国の物価指標の落ち着きと、ナスダックの堅調さを受けて買われ、日経平均の大幅高をけん引しました(財経新聞)。
  • マイクロン(米):前日に発表した好決算と強い見通しを受けて上昇し、半導体株全体の支えになりました(Yahoo Finance)。
  • ビール大手(アサヒ、キリン、サッポロ):10月1日の酒税一本化で、主力ビールの値下げや第三のビールの「ビール化」に動いており、販売の構図が変わるかが注目されます(日本経済新聞)。
  • 米銀行株:金利の急上昇を受けて、KBW銀行株指数は0.7%下落しました(Yahoo Finance)。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 今夜の米雇用統計:強すぎる結果なら、2002年以来の水準にある長期金利がさらに上がる可能性。
  2. 原油と中国の燃料輸出停止:ブレントは再び100ドル台。ガソリン・電気代など家計への波及に注意。
  3. 日銀の10月会合:短観は「足元は良いが先行きは慎重」。追加利上げの判断に注目。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。