今日のポイント

6日の東京市場で日経平均は続伸し、終値で約3カ月ぶりに7万円台に乗せました。続く米国市場でもS&P500が最高値を更新しています。日銀の植田総裁は「利上げを続ける」姿勢をあらためて示し、グーグルが原子力発電の大型購入契約を結んだことも話題になりました。

今日の羅針盤(Compass Insight)

株高を支えているのは、ひとことで言えば「AIと電力」です。東京ではアドバンテスト1銘柄で日経平均の上げ幅の約半分を稼ぎ、米国ではグーグルとコンステレーション・エナジーの原子力契約を受けて原発関連株が買われました。AIのためのデータセンターは大量の電気を使うため、半導体だけでなく「電気をつくる会社」にもお金が流れ込んでいる、というのがいまの相場の姿です。

一方で、土台は思ったほど固くありません。米国の10年国債利回りは6日に少し下がったとはいえ5%台前半で、前日には約24年ぶりの高さをつけています。原油も北海ブレントは1バレル100ドル台のままです。株価が上がる一方で金利と原油が高い、という「ちぐはぐな組み合わせ」は、ちょっとした悪材料で株価が大きく揺れやすい状態でもあります。実際、7日の東京市場は午前中に短期的な過熱感から反落しました。

家計の目線では、1ドル158円前後の円安と高い原油が続き、灯油・ガソリン・電気代は下がりにくい状況です。植田総裁が利上げ継続を明言したことで、変動金利の住宅ローンを持つ人は、次の利上げの時期に注目しておきたいところです。NISAなどで株式の投資信託を持つ人には株高が追い風ですが、上昇がAI関連の一部銘柄に偏っている点には注意が必要です。

短期では、7日から始まる国会の代表質問での消費税減税の議論と、米国の金利の動きに注目です。中長期では、AI向け電力投資がどこまで広がるか、そして日銀の利上げがいつ行われるかが、相場と家計の両方を左右する可能性があります。

今日のニュース

日本

  • 日経平均、終値で約3カ月ぶり7万円台:6日の日経平均は前日比737円12銭高の7万683円98銭で取引を終えました。終値で7万円を上回るのは7月1日以来です。アドバンテストが連日で上場来高値を更新し、1銘柄で日経平均を約334円押し上げました(日本経済新聞)。7日の午前は短期的な過熱感から反落しています(日本経済新聞)。
  • 植田日銀総裁「引き続き利上げ」:植田総裁は6日、全国証券大会のあいさつで、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく考えを示しました。物価の基調は2%に近づいているとの認識も述べています(NHK/みんかぶ)。
  • 国会は7日から代表質問、消費税減税が焦点:5日の所信表明演説を受け、衆議院の代表質問は7日・8日、参議院は8日・9日に行われる予定です。野党は食料品の消費税引き下げについて、財源や効果をただす方針です(NHK)。
  • 台風27号、関東・伊豆諸島で高波:台風27号は日本の東の海上を北上し、6日は関東の沿岸や伊豆諸島で大しけとなりました。気象庁は7日にかけて高波への警戒を呼びかけています(NHK)。

世界

  • ノーベル物理学賞はハルツェン氏に:2026年のノーベル物理学賞は、南極の「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」を率い、宇宙から来る高エネルギーのニュートリノを発見した米ウィスコンシン大学のフランシス・ハルツェン氏に贈られます(NobelPrize.org/CNN)。
  • EUと中国、8〜9日に北京で通商協議:中国の貿易黒字の拡大をめぐり、EUのシェフチョビッチ欧州委員が北京で中国側と協議します。EUは2025年に対中貿易赤字が3,606億ユーロに達したとして、具体的な成果を求めています(Euronews)。

アメリカ

  • グーグル、コンステレーションと20年の原子力契約:グーグルの親会社アルファベットは6日、コンステレーション・エナジーの原子力発電所11基の設備を改良して890メガワットの発電能力を新たに生み出し、その電気を20年間買い取る契約を発表しました。投資額は43億ドル超で、別に既存原発から2,700メガワットを15年間調達する契約も結びました(Google Cloud/Axios)。
  • 米爆撃機、英国の基地から移動:トランプ大統領は、米軍が英空軍フェアフォード基地から爆撃機を移したと明らかにし、理由を「いくつかの脅威」と説明しました。米紙は、イラン革命防衛隊によるドローン攻撃の可能性を示す情報があったと報じています(Just Security)。
  • イリノイ州とシカゴ、州兵派遣で政権を提訴:イリノイ州とシカゴ市は、シカゴへの州兵派遣をめぐりトランプ政権を訴えました(Just Security)。

ヨーロッパ

  • スペイン総選挙へ、プッチダモン氏の逮捕状は取り消し:11月29日の解散総選挙が決まったスペインでは、2017年のカタルーニャ独立宣言以来国外にいるプッチダモン元州首相への逮捕状が裁判所によって取り消されました(Euronews)。
  • ウクライナとロシア、攻撃の応酬続く:ハルキウではロシアの爆弾が住宅地に落ちて6人が死亡、59人がけがをしました。ウクライナ側もモスクワ州の石油施設などを大規模なドローンで攻撃しています。米国は10月中の新たな3者和平協議を提案しています(Just Security/CNBC)。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

株価・原油は10月6日(火)の終値、前日比は5日(月)終値との比較です。ドル円は欧州中央銀行(ECB)の10月6日の参照レートです。

指標 値 前日比
日経平均株価 70,683.98円 +737.12円(+1.05%)
NYダウ 51,521.28ドル +253.38ドル(+0.49%)
S&P500 7,818.93 +44.98(+0.58%)最高値
ナスダック総合 27,599.79 +122.48(+0.45%)
WTI原油 87.99ドル/バレル -1.61%
北海ブレント 100.84ドル/バレル +0.51%
ドル円 158.09円 円安方向で推移
米10年国債利回り 5.27% -0.05ポイント

原油は、ホルムズ海峡経由の原油の流れが開戦前の水準を上回るまで戻ってきたことや、主要7カ国(G7)の備蓄放出が値下がりの要因になっています(OilPrice.com)。ただ、WTIは下がった一方でブレントは100ドル台を保っており、「高止まり」の状態は変わっていません。

アメリカの経済

米国の長期金利は、前日に10年債・30年債が約24年ぶりの高水準をつけた後、6日は少し下がりました(CNBC)。金利が一服したことで、エヌビディアやAMDなどのハイテク株が買われ、S&P500は最高値を更新しました(Yahoo Finance)。株と金利が同時に高いという緊張した組み合わせは続いており、金利が再び上がれば株の重荷になりやすい点には注意が必要です。

日本の経済

6日の東証プライム市場は値上がり1,153銘柄、値下がり349銘柄と幅広く買われました(財経新聞)。ドル円は158円前後でもみ合いました。サウジアラビアのアジア向け原油価格の引き下げで供給不安がやや和らいだ一方、日銀の今月の利上げ期待が後退したことが円売りにつながったとの見方があります(外為どっとコム)。植田総裁は利上げ継続の姿勢を示しましたが、時期については明言しておらず、市場は次の会合に向けた発言を見極める段階です。

今日の注目銘柄・セクター

  • アドバンテスト(6857):米国の半導体株高を受けて連日で上場来高値を更新し、6日は3.85%上昇。時価総額は30兆円を超え、日経平均の上げ幅の約半分を1銘柄で生み出しました(日本経済新聞)。指数が少数の銘柄に左右されやすくなっている点も見ておきたいところです。
  • ソフトバンクグループ(9984):相場全体が上がる中で3.11%下落し、AI関連の中でも明暗が分かれました(日本経済新聞)。
  • 米原子力関連(コンステレーション・エナジーなど):グーグルとの長期契約を受けて、コンステレーションをはじめ原子力関連株が大きく買われました(Benzinga/The Motley Fool)。AIの電力需要を受けた「電力インフラ」への関心の高さを示しています。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 日経平均7万円台定着なるか:終値で3カ月ぶりの7万円台。ただし上昇はアドバンテストなど一部に偏り、7日午前には反落も。
  2. 日銀の利上げ時期:植田総裁は利上げ継続を明言。円安と住宅ローン金利の両方に関わるため、今後の発言に注目。
  3. AIと電力:グーグルの原子力契約で、半導体に続いて電力関連にも資金が向かう流れがはっきりしてきました。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。