今日のポイント

昨日の主役は「AIへの巨額投資は本当にもうかるのか」という疑問でした。米国ではグーグル親会社アルファベットが約13%下落してナスダックを押し下げた一方、日本株は日経平均が6万4,659円で3日続伸しました。欧州ではECB(欧州中央銀行)が金利を据え置きつつ、12月の利上げに含みを残しています。今日は日銀の会合結果が昼ごろ出る見込みで、物価と金利の話題が続きます。

今日の羅針盤(Compass Insight)

昨日は「米国のハイテク株は下がり、日本株は上がる」というねじれた一日でした。背景にあるのは、市場が「AIの話ならなんでも買う」段階から、「投資したお金がきちんと利益になっているか」を確かめる段階へ移ってきたことだと読めます。アルファベットは売上が予想に届かず、設備投資の重さも意識されました。一方、日本ではAI向けの検査装置などを手がける企業に、業績の上方修正を受けた買いが入りました。同じAI関連でも、「お金を使う側」より「受注する側」に資金が向かった形です。

家計への影響で見ると、鍵は物価と金利です。原油は高止まりしており、日本ではガソリン補助金が12月から段階的に縮小される予定のため、ガソリン代や配送コストを通じて身近な値上がりが続く可能性があります。さらに、米国・欧州・日本のいずれも「次は利上げか」という議論が出ています。利上げが進めば、変動型の住宅ローンの金利や預金金利にも影響が及びえます。

短期では、今日昼に出る日銀の判断と、その後の円相場の反応に注目です。中長期では、①AI投資が利益につながるかを示す企業決算、②イラン情勢と原油価格、③12月のFRB・ECB・日銀の会合、の3点が資産運用と家計の両方を左右しそうです。

今日のニュース

日本

世界

  • 米国とイランの外交再開への期待から原油価格が下落しました。米副大統領がイラン側に書簡を送ったと報じられた一方、トランプ大統領は指示を否定したとも伝えられています。イラン側の受け止めは割れており、先行きは不透明です。
  • 中東情勢は依然として原油の供給不安を残しており、原油価格の下げは限定的でした。

アメリカ

  • アルファベットの7〜9月期売上が予想に届かず、株価は約13%下落。時価総額が1日で約5,000億ドル消えたと報じられています。
  • 米国の7〜9月期GDP速報は年率3.4%成長(予想は3.2%)。新規失業保険申請も19.4万件と予想より少なく、景気の底堅さを示しました。
  • FRB(米連邦準備制度理事会)は28日に政策金利を据え置きました(Yahoo!ファイナンス)。市場では12月の利上げの可能性が意識されています。

ヨーロッパ

  • ECBは29日、預金金利を2.5%で据え置きました。ユーロ圏の9月の物価上昇率は3.8%で、目標の2%を大きく上回っています。
  • ラガルド総裁は2027年2月7日に任期を前倒しして退任すると発表しました。
  • フランスの10年国債の利回りは5%前後と高く、格付け会社ムーディーズは格付けを据え置きつつ見通しを「ネガティブ」としています。

経済とお金の動き

世界の経済と相場

指標 水準 前日比
日経平均株価(29日終値) 64,659.47円 +705.28円(+1.10%)
NYダウ(29日) 52,342.56ドル 約-0.25%
ナスダック総合(29日終値) 26,184.73 約-1.4%
S&P500(29日) - 約-0.3%
ドル円(NY終値) 157円71銭 158円13銭まで上昇後に反落
WTI原油 約102.8ドル/バレル 米イラン協議への期待で一時下落

出典:日経平均はOANDA証券、ダウとドル円はFisco配信のNY為替概況、ナスダックはYahoo Financeの終値データ、S&P500の下落率はYahoo!ファイナンスのライブ記事。ブレント原油は1バレル114ドル前後と高い水準です。欧州中央銀行の参考レートでは、29日のドル円は158.06円でした。

AI関連への期待に陰りが出ると、ハイテク比率の高いナスダックが最も大きく下がります。一方、ダウやS&P500の下げは小幅にとどまり、資金は医療・金融・不動産などの守りの業種に移りました。原油が1バレル100ドルを超える水準では、世界のインフレ圧力が簡単には収まらないというのが市場の基本認識です。

アメリカの経済

7〜9月期GDPは年率3.4%で予想を上回り、9月のコアPCE価格指数(FRBが重視する物価指標)は前年比3.1%と予想どおりでした。成長は強く、物価は高止まり。このため、利下げよりも「次は利上げか」が話題になる局面です。

日本の経済

日経平均は6万4,000円台と堅調ですが、家計には燃料費の負担がのしかかります。補助金の縮小が始まる12月以降は、ガソリンだけでなく物流費を通じた値上がりにも目配りが必要です。日銀が今日どのような判断を示すか、特に12月の利上げに向けたヒントが出るかが焦点です。

今日の注目銘柄・セクター

  • アルファベット(米):7〜9月期の売上が予想に届かず、株価は約13%下落。AI投資の回収に対する市場の目が厳しくなったことが背景です。同じ日に決算を出したマイクロソフトは予想を上回り、明暗が分かれました。
  • ソフトウェア株(米):サービスナウが約25%、フォーティネットが約21%下落。AIの普及でソフトウェア企業の収益が圧迫されるのではないか、という警戒が広がっています。インテルも弱い売上見通しで約17%下がりました。
  • アドバンテスト(日本):業績の上方修正を発表し、株価は約6%上昇。1銘柄で日経平均を約453円押し上げました。
  • コマツ(日本):業績を上方修正したものの市場の期待には届かず、午後に急落しました。「上方修正でも期待を下回れば売られる」ことを示す例です。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. AI投資の「回収」を問う相場:米ハイテクは下落、日本のAI関連の受注側は上昇と明暗が分かれた。
  2. 利上げの議論が世界で広がる:ECBは12月に含みを残し、日銀は今日の結果が焦点、米国でも12月が意識される。
  3. 原油高と補助金縮小:12月からガソリン補助が縮小される予定で、家計の負担増に注意。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。