今日のポイント

日米首脳会談でトランプ大統領が「円安」への懸念を伝えていたことが明らかになり、円はいったん買い戻されました。米中は貿易休戦を延長し、中東では停戦に向けた動きへの期待から原油が値下がり。世界の株はそろって上がって週末を迎えましたが、日米とも長期金利は歴史的な高さのままです。

今日の羅針盤(Compass Insight)

この1週間を一言でまとめると、「株は強いが、お金を借りるコストは上がり続けている」です。米国の10年国債利回りは2007年以来の水準に達し、日本の長期金利も約30年ぶりの高さにあります。それでも株価が上がっているのは、AI投資の拡大と、米中・中東の緊張が少し和らいだことへの安心感が支えになっているためです。

家計にとって大事なのは、為替の潮目が変わる可能性です。米大統領が首脳会談で円安に触れたことは、日本の財務当局が円安を止める動きをとりやすくなる材料になりえます。円高方向に振れれば、ガソリンや食品など輸入品の値上がりが一服する可能性があります。一方、日本の長期金利の上昇は、固定型の住宅ローン金利や預金金利に少しずつ反映されていきます。これから借りる人・借り換えを考えている人は、金利の動きに注目です。

短期的には、10月のFRB(米国の中央銀行)会合で利上げがあるか、そして中東の停戦協議が本当に前進するかが焦点です。中長期では、日米の金利が「高い状態が当たり前」になるのかどうかが、株式・債券・住宅市場の方向を決めていくことになりそうです。

今日のニュース

日本

  • トランプ氏が円安に懸念:22日にニューヨークで開かれた日米首脳会談で、トランプ大統領が足元の円安について懸念を伝えていたことを、片山財務大臣が25日に明らかにしました。高市首相は「一般論として円の過小評価は問題」と応じたとされます。財務大臣が首脳間の為替のやりとりを公表するのは異例です(時事通信)。
  • 卓球男子団体、60年ぶりの金:アジア大会の卓球男子団体決勝で、日本が中国を3-2で破り、60年ぶりの金メダルを獲得しました(24日)。張本智和選手が2勝、松島輝空選手も勝利を挙げ、8連覇中だった中国を1-2からの逆転で破りました(テレ東)。
  • 日経平均は5日続伸:25日の日経平均は850円高の6万6,364円で、6万6,000円台を回復しました。

世界

  • 米中が貿易休戦を延長:習近平国家主席の訪米に合わせ、ベッセント財務長官は11月に期限を迎える米中の貿易休戦を1月10日まで2カ月延長すると発表しました。25日に習主席の訪米日程が終わりました。関税の引き下げやレアアース(希土類)輸出規制の停止が続きます。大きな新合意はなく、「中身より演出」の会談との評価も出ています。
  • イランが停戦案:イランが米国に対し、6月の覚書(MOU)への復帰を求めているとの報道で、ホルムズ海峡の再開期待が高まりました。一方、イエメンのフーシ派がサウジアラビアの都市に向けてミサイルを発射するなど、緊張も続いています。

アメリカ

  • 米長期金利が高止まり:10年国債利回りは5.16%前後で週を終えました。前日には2007年6月以来の高水準をつけています。原油高、AI投資ブーム、財政赤字の拡大が重なった結果とされます。
  • 習主席の訪米が終了:最終日の25日、両首脳はホワイトハウスで茶会を開いた後、国立公文書館で独立宣言と合衆国憲法を見学しました。

ヨーロッパ

  • ドイツが燃料税を一時引き下げ:連邦議会がガソリン・軽油にかかる燃料税の一時的な引き下げを434対128で可決し、連邦参議院も同日中に承認しました。原油高への家計対策です。
  • アテネで爆発:ギリシャ・アテネの歴史地区プラカで爆発があり、アクロポリス近くの2階建ての建物が倒壊、少なくとも2人がけがをしました。ガス漏れが疑われています(Rio Times)。
  • ウクライナへ66億ユーロ:EUは「欧州平和ファシリティ」を通じて66億ユーロの拠出を決め、国防予算の不足に悩むウクライナを支えます。

経済とお金の動き

世界の経済と原油・相場

指標 値 前日比・動き
NYダウ 51,828.62ドル +478.64ドル(+0.93%)(9/25終値)
S&P500 7,743.41 +0.51%(9/25終値)
ナスダック総合 27,068.72 +0.5%(9/25終値)
米10年債利回り 約5.16% ほぼ横ばい(2007年以来の高水準圏)
WTI原油 92.41ドル/バレル -2.33%(9/25清算値)
ブレント原油 104.32ドル/バレル -2.14%(9/25清算値)
ドル円(ECB基準) 157.59円 -1.26円(9/25基準、前日158.85円・円高方向)

米国株は3指数そろって上昇し、ダウは3週続落から抜け出して、S&P500・ナスダックとともに週間でもプラスになりました。中東の停戦協議への期待で原油が下がったことが、株の買い戻しにつながりました。ただし原油はなおWTIで90ドル台、ブレントで100ドル台と高い水準です。

アメリカの経済

米国は「景気は強いが、金利は重い」状態が続いています。FRBのバー理事がさらなる政策調整の可能性に触れたこともあり、市場では10月の会合で0.25%の利上げが行われる確率を約66%と見込んでいます。5年債入札の需要が弱かったことも、国の借金の多さに対する市場の警戒を映しています。

日本の経済

指標 値 前日比
日経平均株価 66,364.20円 +850.21円(+1.30%)(9/25終値)
新発10年国債利回り 3.049%前後 約30年ぶりの高水準圏

日経平均は5日続伸で、終値として6万6,000円台を回復するのは今月7日以来です。AI・半導体株が上げを主導し、金利上昇で利ざや改善が期待される銀行株、9月末の中間配当の権利取りを狙った買いも広がりました。為替は朝方に158円台後半まで円安が進みましたが、財務大臣の発言をきっかけに円が買われ、一時157円台まで戻しました。

今日の注目銘柄・セクター

  • 半導体関連(東京エレクトロン・アドバンテスト):米中の休戦延長で「AI投資が加速する」との安心感が広がり、日経平均の上昇をけん引しました。
  • 銀行株(三菱UFJ・三井住友FG):日米で金利が急上昇するなか、貸出の利ざや改善への期待から買われました。
  • アカマイ・テクノロジーズ(米国):AI企業Anthropicと7年間で116億ドル規模のクラウド契約を結び、株価は一時16%超上昇しました。
  • ナイキ(米国):バンク・オブ・アメリカが投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げ、目標株価を47ドルから30ドルに下げたことで注目を集めました。決算発表は10月1日の予定です。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. 円安けん制の行方:米大統領の懸念表明で、日本の為替介入のハードルが下がる可能性。輸入品の価格に直結します。
  2. 10月のFRB利上げ:米長期金利5%台が続くか。住宅ローンや世界の株価への影響に注目。
  3. 中東停戦協議:ホルムズ海峡が再開されれば原油安→物価の落ち着きにつながる一方、フーシ派の攻撃など不安材料も残ります。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。