今日のポイント

トランプ大統領がNATO首脳会議の場で「イランとの停戦は終わった」と明言し、追加空爆の可能性にも言及したことで、中東情勢が一段と緊迫しています。これを受けて原油価格は続伸し、世界の株式市場では半導体株の下落とエネルギー・防衛株の上昇が同時に進む「まだら模様」の展開となりました。日本では長期金利が29〜30年ぶりの水準まで上昇し、日経平均は大幅安となる一方、実質賃金は5カ月連続でプラスを維持するなど、明るい材料と重い材料が入り混じった一日でした。

今日のニュース

日本

  • 東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前日比1,437円91銭安の6万6,819円05銭で取引を終えました。長期金利の上昇や中東情勢の緊迫化が売り材料となりました(NewsOnJapan)。
  • 国内債券市場では新発10年物国債利回りが一時2.87%まで上昇し、1996年以来およそ30年ぶりの高水準となりました。日銀が6月に政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げたことを背景に、金利の先高観が根強くなっています。
  • 5月の実質賃金は前年同月比1.4%増と5カ月連続のプラスとなりました。現金給与総額は31万1,165円(3.2%増)で、4カ月連続の3%超えは1992年3月以来34年2カ月ぶりです(日本経済新聞、NHKニュース)。
  • 財務省が発表した6月末の外貨準備高は約1兆2,875億ドルで、前月比184億ドル減と2カ月連続の減少となりました(財務省)。
  • 皇族数の確保に向けた皇室典範改正案が国会で審議されており、与野党は「静ひつな環境」での早期成立を目指してすり合わせを続けています(NHKニュース)。

世界

  • トランプ大統領はNATO首脳会議が開かれたトルコ・アンカラで、イランとの停戦は「終わった」と述べ、交渉継続は「時間の無駄」だとして、米軍が「今夜またイランを攻撃する可能性が高い」と発言しました。イラン産原油の輸出拠点カーグ島の掌握にも言及しています(NBC News)。
  • ロシアは今週、ウクライナの首都キーウなどに大規模なミサイル・ドローン攻撃を実施し、少なくとも22人が死亡しました。ウクライナ空軍によると、ロシアは一夜でドローン351機・ミサイル68発を発射し、防空網の隙間が改めて浮き彫りになりました(NBC News、NPR)。
  • 国際オリンピック委員会(IOC)は、国家ぐるみのドーピング問題とウクライナ侵攻を理由に続いていたロシア選手団への実質的な出場制限を事実上解除する決定を下しました。
  • サッカーのFIFAワールドカップ2026(米国・カナダ・メキシコ共催)は準々決勝の組み合わせが出そろい、大会は佳境を迎えています。

アメリカ

  • トランプ大統領はNATO首脳会議出席のためアンカラを訪問中で、欧州同盟国が対イラン軍事作戦への支持を渋っていることに不満を表明したと報じられています(Fox News)。
  • ニューヨーク・マンハッタンの高層ビルで柱の座屈が確認され、倒壊の恐れがあるとして建物の避難が続いています。市建築局が原因を調査中です(Fox News)。
  • 米連邦控訴裁判所(D.C.巡回区)は、トランプ大統領がケネディ・センターから自身の名前を外す決定の差し止めを求めていた訴えを退けました。
  • チャーリー・カーク氏暗殺事件の被告タイラー・ロビンソン被告が予備審問に出廷し、遺族と初めて対面しました(Fox News)。

ヨーロッパ

  • フランスの極右「国民連合」党首マリーヌ・ルペン氏は、EU資金の横領事件で禁錮3年(うち2年執行猶予、1年は電子監視付き自宅拘禁)の有罪判決を受けましたが、2027年大統領選への出馬を続ける意向を表明しました。控訴審では被選挙権停止期間も実質15カ月に短縮されています(NPR、France 24)。
  • トルコ・アンカラで開催中のNATO首脳会議では、欧州各国が防衛費の大幅増額を競うように打ち出し、トランプ大統領に自国防衛への「応分の負担」をアピールしています。
  • NATOのマルク・ルッテ事務総長は、加盟国の軍事支出急増に兵器メーカーの生産能力が追いついていないと警告しました(Investing.com)。
  • EUでは7月7日から新規登録の乗用車・小型商用車に高度な安全基準(一般安全規則)の適用が始まったほか、欧州委員会はAIを活用したサイバーセキュリティ強化策を発表しました。

経済とお金の動き

世界の経済・原油・為替(表)

指標 値 基準日
ドル/円 1ドル=162円49銭 2026年7月8日基準(ECB)
ダウ平均 52,348.39ドル(前日比-576.76ドル、-1.09%) 2026年7月8日終値
S&P500 7,482.71(-0.28%) 2026年7月8日終値
ナスダック総合 25,870.65(+0.20%) 2026年7月8日終値
WTI原油 73ドル台後半(前日比+4〜5%) 2026年7月8日
ブレント原油 78ドル台(前日比+5%超) 2026年7月8日
日経平均 66,819.05円(前日比-1,437.91円、-2.11%) 2026年7月8日終値

(出所:frankfurter API、Yahoo Finance、NewsOnJapan)

トランプ大統領がイランとの停戦終了を宣言したことを受け、原油価格は続伸しました。ブレント原油は一時1バレル78ドル台、WTIも73〜74ドル台まで上昇し、供給不安が再び相場の主役となっています(NBC News)。為替市場では、原油高に伴う長期金利上昇観測を背景にドル高・円安基調が続き、円は1ドル=162円台後半で推移しています。

アメリカの経済

8日の米株式市場は中東情勢の緊迫化を嫌気して下落し、ダウ平均は576.76ドル安の52,348.39ドルと大幅反落しました。S&P500も0.28%安となる一方、ナスダック総合はハイテク株の一部持ち直しでわずかにプラスを維持しました。FRBは6月会合の議事要旨で、一部当局者が利上げの可能性にも言及するなど、インフレ再燃への警戒感がにじむ内容となっています(Yahoo Finance)。

日本の経済

日経平均株価は8日、前日比1,437円91銭安の6万6,819円05銭と大幅続落し、節目の7万円を再び割り込みました。長期金利が30年ぶり水準まで上昇したことに加え、中東情勢の緊迫化による世界株安の流れも重荷となりました(NewsOnJapan)。一方で5月の実質賃金は5カ月連続のプラスとなり、賃上げの効果が家計に波及しつつある明るい材料も出ています。日銀は6月に政策金利を1.0%へ引き上げましたが、円安・原油高が物価に与える影響と、金利上昇が財政・住宅ローンに与える負担の両方が今後の焦点になりそうです。

今日の注目銘柄・セクター

  • 欧州防衛株:NATOのルッテ事務総長が「兵器メーカーの生産能力が加盟国の軍事支出増に追いついていない」と発言したことを受け、欧州の防衛関連株が軒並み急伸しました(Investing.com)。
  • エネルギー株(コノコフィリップス、シェブロン、マラソン・ペトロリアムなど):イラン情勢の緊迫化による原油急伸を受け、米エネルギー株は軒並み上昇しました。
  • 半導体株(インテル、マイクロン・テクノロジーなど):中国のAI新興企業DeepSeekが独自のAI半導体を開発しているとの報道が伝わり、既存の半導体大手の需要への懸念から売りが続きました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は直近で4.65%超下落しています。
  • テスラ:株価は8日に2.2%下落し、不安定な値動きが続いています。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. トランプ大統領がイランとの停戦終了を宣言し、原油価格が続伸、中東情勢は一段と緊迫化した。
  2. 日本の長期金利は30年ぶり水準まで上昇し、日経平均は大幅安となる一方、実質賃金は5カ月連続でプラスを維持した。
  3. NATO首脳会議では欧州の防衛費増額競争が進み、防衛株が急伸する一方、半導体株には売りが続いた。

出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。