今日のポイント

米国とイランの応酬がさらに一段階激化しました。トランプ大統領が「イラン封鎖」と呼ぶホルムズ海峡の通航規制を正式に発動すると表明し、米軍はイランの防空システムや沿岸レーダーなどへの攻撃を継続、イラン側もヨルダンや湾岸諸国方面へ反撃するなど緊張が続いています。これを受けて原油価格が急伸し、13日のニューヨーク株式市場ではダウ・S&P500・ナスダックがそろって下落、週明けの東京市場でも同様の展開が警戒されます。米国では上院のグラハム議員急死を受けた後任人事が固まった一方、半導体株の急落も市場の重荷となりました。

今日のニュース

日本

  • 皇室典範改正案について、自民・立憲民主両党が7月15日に参院特別委員会で採決を行うことで合意しました。今の国会の会期末(7月17日)までの成立が見込まれています(時事通信)。
  • フィリピン東方で台風11号「ハイシェン」が発生しましたが、7月16日には熱帯低気圧に変わる見通しで、日本への直接的な影響はないとみられています。台風9号は中国大陸を北上中です(tenki.jp)。
  • 13日の東京市場では、週末の中東情勢悪化と原油高を嫌気して日経平均株価が67,242.73円(前日比-1,315.00円(-1.92%))と大幅続落しました。

世界

  • トランプ大統領が、イラン船舶のホルムズ海峡通航を禁じる「イラン封鎖」の正式発動を表明。米中央軍(CENTCOM)は日本時間14日午後5時(米東部時間14日午後4時)に封鎖を開始するとしており、封鎖対象外の他国船舶には積み荷の20%の通行料を課す方針も示されました(NPR、Axios)。
  • 米中央軍はイランの防空システムや沿岸レーダー施設、ミサイル・無人機能力などを標的とした新たな攻撃を実施。今回の応酬は、11日夜(日本時間12日)に米軍がイラン国内約140カ所を攻撃したのに続くもので、イラン側もヨルダン・カタール・クウェート・オマーン方面へ反撃したと伝えられています(The National Desk)。
  • サッカー男子W杯は、アルゼンチンが延長戦の末に10人のスイスを3-1で下し(フリアン・アルバレスの112分の一撃が光りました)準決勝でイングランドと対戦することが決まりました(NPR)。
  • テニスのウィンブルドン男子シングルス決勝で、イタリアのヤニック・シナー選手がドイツのアレクサンダー・ズベレフ選手を6-7、7-6、6-3、6-4で破り連覇を達成、自身5度目のグランドスラムタイトルを獲得しました(ESPN)。

アメリカ

  • 死去した上院議員リンゼー・グラハム氏(共和、サウスカロライナ州)の後任として、実姉のダーリーン・グラハム・ノードーン氏がマクマスター知事により上院議員に指名されました(CBS News)。
  • ミッチ・マコネル上院議員(共和、ケンタッキー州)が、先月の転倒による入院について、幼少期に患ったポリオの後遺症が影響したことを明らかにしました。療養中に軽度の肺炎も発症していたということです(Fox News)。
  • 米国31州で、下痢や吐き気を伴う胃腸炎症状の患者が急増していると連邦保健当局が発表しました。原因は現在調査中です。
  • カナダ・トロントのラテン系文化祭りの会場で発生した銃撃事件で、少なくとも2人が死亡、4人が負傷したと伝えられています。

ヨーロッパ

  • EUとウクライナが、EU加盟交渉における「基本的価値・原則」分野のクラスター交渉を開始しました。EUはまた、プーチン政権批判派の情報を露呈させたとされるロシアのVK社に制裁を科しています。
  • 欧州の複数国とウクライナが、弾道ミサイルへの防衛協力を強化する枠組みで合意しました。
  • タイ・バンコク北部でパブの大規模火災が発生。ベトナム・フーコック島沖では観光船が転覆し、15人が死亡しました。

経済とお金の動き

世界の株価・原油・為替

指標 値 前日比・備考
日経平均株価(7/13終値) 67,242.73円 -1,315.00円(-1.92%)
NYダウ(7/13終値) 52,498.64ドル -138.37ドル(-0.26%)
S&P500(7/13終値) 7,515.34 -59.85(-0.79%)
ナスダック総合(7/13終値) 25,873.18 -1.55%
WTI原油(直近) 78.19ドル/バレル ホルムズ海峡封鎖発動の発表を受け急伸
Brent原油(直近) 83.09ドル/バレル 80ドル台後半まで上昇
ドル円 1ドル=162.14円(7/13基準) 歴史的な円安水準が継続

世界の経済:トランプ大統領がホルムズ海峡の「封鎖」を正式に発動すると表明したことで、原油価格が一段と水準を切り上げました。WTI原油は78ドル台、Brent原油は83ドル台まで上昇しており、供給不安が意識される展開です。ホルムズ海峡は世界の原油・天然ガス輸送の約2割を担う要衝であり、通航混乱の長期化はエネルギー価格を通じて世界経済全体に波及するリスクをはらんでいます。

アメリカの経済:13日の米国市場はダウ・S&P500・ナスダックがそろって下落しました。中東情勢の悪化に加え、韓国のSKハイニックス株急落(15%安)を発端とする半導体株の世界的な売りが重荷となりました。市場ではFOMC(7月開催分)での政策金利据え置き予想が優勢な一方、14日には6月の消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、シティグループが決算を発表する予定で、インフレ動向と金融大手の業績が当面の焦点です。

日本の経済:日銀は6月の会合で政策金利を1.0%に引き上げ、1995年以来となる「金利のある世界」に回帰しましたが、日米金利差はなお大きく、円相場は1ドル162円前後という歴史的な円安水準で推移しています。13日の日経平均は原油高・中東リスクを嫌気して大幅続落し、前週末の大幅高から一転する荒い値動きとなりました。円安と原油高が同時進行すれば、輸入物価の上昇を通じて家計の負担がさらに強まる可能性があります。

今日の注目銘柄・セクター

  • 半導体関連株(SKハイニックス、エヌビディア、AMD、ブロードコム、クアルコム、マイクロン・テクノロジーなど):韓国のSKハイニックス株が過去最悪の下落率となる15%安を記録したことをきっかけに、AI・半導体関連銘柄が世界的に売られました。決算発表を控えた利益確定売りも重なったとみられています。
  • エネルギー関連株(INPEX、出光興産、ENEOSホールディングスなど):原油価格の急伸を受け、資源・エネルギー関連銘柄には引き続き物色の矛先が向かいやすい状況です。
  • 海運株:ホルムズ海峡の封鎖発動により、タンカーの迂回や保険料上昇、運賃変動への警戒が一段と強まっています。
  • 米大手金融株(JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなど):14日に主要行の決算発表が集中しており、金利環境や取引収益の動向に市場の関心が集まっています。

※特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で。

まとめ:注目の3つ

  1. トランプ大統領がホルムズ海峡の「封鎖」を正式発動し、米・イランの軍事的応酬が続く中で原油価格が一段と急伸した。
  2. 13日の米国・日本株式市場は、中東情勢の緊迫化に加え韓国SKハイニックス株急落を発端とする半導体株安が重なり、そろって大幅下落した。
  3. グラハム上院議員の後任に実姉が指名されるなど米政界の動きが続く一方、W杯はアルゼンチン対イングランドを含む準決勝の組み合わせが出そろった。

今日の羅針盤(Compass Insight)

今日を貫くキーワードは「地政学リスクの実体化」です。これまで警戒段階にとどまっていたホルムズ海峡の緊張が、トランプ大統領による封鎖の正式発動という具体的な措置に移行し、原油市場はすでにこれを織り込んで大きく水準を切り上げました。加えて、中東情勢とは独立した要因である半導体株の急落が重なったことで、株式市場の下げ幅が増幅された点は見逃せません。異なる種類のリスクが同時に表面化すると、相場は単独の材料以上に振れやすくなる傾向があります。家計への影響としては、原油高がガソリン代や電気・ガス料金といった生活コストに直結しやすく、これがすでに進行している円安(1ドル162円台)と重なることで、輸入物価上昇という形の負担が二重に効いてくる点に注意が必要です。短期的には、ホルムズ海峡の封鎖が実際にどこまで通航を制限するか、そして14日発表の米CPIがインフレ再燃の兆候を示すかどうかが相場の焦点になります。中長期的には、原油高を起点とするインフレ圧力が日米欧の金融政策、とりわけ利上げ観測にどう波及するかが、住宅ローン金利や資産運用環境を左右する重要な分岐点になり得ます。


出典:

本記事は公開情報をもとに作成しています。